HSBC、恒生銀行の非公開化を提案 1株155HKD・約30%のプレミアム 恒生ブランドは維持方針

恒生銀行(0011)は香港取引所への公告で、親会社のHSBCホールディングス(0005)がスキーム・オブ・アレンジメント方式による非公開化を提案したと発表した。

計画が実施されれば、株主は1株あたり155香港ドル(必要に応じて配当調整後)の現金を受け取る。

現行株価119香港ドルに対し、提示価格は約30%のプレミアムを含み、2025年上半期ベースでP/B倍率1.8倍、時価総額約2,903億香港ドルに相当する。HSBCは恒生株式の約63%を保有し、残る684,880,165株を買い取る予定で、総額約1,061億香港ドルの支払いを見込む。

恒生銀行の株主は2025年第3回中間配当を受け取ることができ、その配当は対価から控除されない。HSBCは今回の提示価格をこれ以上引き上げる予定はないと明らかにした。

また、HSBCは恒生銀行の約100年にわたる香港での歴史と独自の地位を尊重し、今後も「HSBC」と「恒生銀行」の両ブランドで香港市場にサービスを提供するとしている。恒生銀行は独立した認可銀行としての地位、企業ガバナンス、ブランドイメージ、支店網などを維持する方針だ。

一方、商業用不動産ローンのリスク増大を受け、恒生銀行の不良債権率は2024年末の6.12%から2025年6月末には6.69%へ上昇。信用損失計上済みの香港商業用不動産向け貸出残高は半年前より52億香港ドル(26%)増の250.12億香港ドルとなった。