商標保護と会社登録の違いは何ですか？

香港特別行政区では、会社名、商号（ビジネスネーム）および商標の登録は、それぞれ異なる法律と制度によって管理されています。

会社名の登録は会社登記処（Companies Registry）が担当し、商号（ビジネスネーム）の登録は税務局商業登記署（Business Registration Office, Inland Revenue Department）が担当します。

一方、商標の登録は商標登録処（Trade Marks Registry, Intellectual Property Department）が所管しています。

したがって、会社名やビジネスネームを登録したとしても、その名称を商標として使用する独占的な権利を自動的に取得できるわけではありません。

最近、一部の報道によると、登録商標や著名商標と同一または類似する名称を、無断で会社登記処に会社名として登録し、さらに中国本土など香港以外の地域で商標権を侵害する行為に利用する事例が確認されています。

実際、香港で商業登記証または会社登録証明書を保有している企業であっても、その名称を商標として商品やサービスの宣伝・営業に使用する権利を有しているとは限りません。

商標を登録することで、商標権者は香港特別行政区内における商標の専有権を得ることができます。

香港政府の知的財産署（Intellectual Property Department）では、無料のオンライン検索サービス（esearch.ipd.gov.hk）を提供しており、登録商標・商標権者・香港での使用許諾を受けた企業などの情報を確認することができます。

また、中国本土における香港制度の誤解を防ぐため、知的財産署は、中国本土の商業界や地方政府向けに説明活動を実施しています。

その中で特に強調しているのは、会社登録はその会社が同一または類似の商標を所有することを意味しないという点です。

【補足】

「商号」には、税務局 商業登記署に登録された個人事業、合資会社、有限責任会社の事業名称が含まれます。

登録商標と同一または類似の標章を、同一または類似の商品の販売・サービスにおいて無断で使用することは、商標権侵害となります。

著名商標を異なる商品・サービスに使用した場合でも、侵害とみなされる可能性があります。

香港企業は中国本土でも商標登録を行い、中国の法律に基づいて侵害行為に対処できるようにすることが望ましいです。