円が5.1香港ドルを下回る 日銀前理事「最短で12月にも利上げの可能性」

日本銀行は来週、金融政策決定会合を開く予定だが、新首相の高市早苗氏が就任したばかりであることから、

市場では今回は現行政策を維持(据え置き)するとの見方が強い。

しかし、日銀前理事の前田栄治氏は、高市政権が米国の関税政策リスクに対抗するための経済刺激策を打ち出すと予想。

その上で、日銀が12月に政策金利を0.75%に引き上げ、

さらに来年夏には1.0%に追加利上げを実施し、中立金利(neutral rate)水準に達するとの見通しを示した。

その後は、経済への影響を見極めるため、利上げペースを緩やかにする可能性があるという。前田氏はまた、

「日銀のインフレ対応は遅れており、その結果、経済に歪みが生じている」と指摘。

さらに次のように述べた。

「金融政策の正常化が遅れると、副作用が多方面に現れる。たとえば、大都市圏の住宅価格の高騰や、円安による家計の生活コスト上昇などが挙げられる。

こうした現象は国民生活を圧迫するため、日銀は着実な利上げを進めつつ、景気の下振れリスクと物価上昇リスクの双方に注意を払うべきだ。」

また前田氏は、

米国の関税が日本経済に与える実際の影響は当初懸念されたほど大きくないとし、日本経済は今後も緩やかな拡大を続けるとの見方を示した。

そのため、日本企業は設備投資や賃上げ計画について引き続き楽観的な姿勢を保つと予想される。

為替市場では、100円=5.098香港ドルとなり、前日比で0.29%下落した。